歯周病治療 | 診療案内 | 広島市 中区の歯科クリニック|林原歯科クリニック

歯周病治療

今までの歯周病治療の問題点

歯周病がもたらす全身への影響について20年近く警鐘を鳴らしてきましたが、近年ようやく認知が広まってきました。しかし、治療を受けたりご自分で口腔内清掃を見直して日々努力しても、一体「治ってきているのか」あるいは「改善傾向が見られているのか」が分かりませんよね。分からなければ、ご自分への励みも薄れてついつい元の「磨けていない口腔内」へと後戻りしてしまうのは当然な流れです。
ここが今まで治療する我々としても悩ましいところだったのです。感覚的に分かるのは「歯茎からの出血がなくなった」「歯の動揺が心なしか減った」ぐらいだと思います。元々が別名「サイレントディジーズ」と呼ばれ毎日の悪しき口腔内清掃で生じた慢性疾患ですので、治癒について知るのは定期的なポケット深さの測定、それに伴う出血点数、レントゲン写真による歯槽骨レベルの比較ですぐには判定は困難です。

敵を知ることから戦いを始めませんか

歯周病は口腔内細菌による感染疾患です。
したがって、これら歯周病菌が減少傾向にあるのかないのかを知ることが最も手っ取り早く知る方法ですよね。
当クリニックでは以前から多くの種類の歯周病関与菌数を患者さん個々に調べて、その結果に基づいて抗菌剤を選択・組み合わせを海外のメーカー(OraVital社、後述)に依頼してきました。

まず最も悪さをする1種類の歯周病菌数を知ることから始めましょう

今までの海外の検査機関への正確な歯周病菌種と菌数測定するシステムは、残念ながら時間と経費がかかってしまい一般的ではありませんでした。
しかし、この度国内で1種類の歯周病菌に的を絞って簡便に迅速に検査するシステムが出来ました。これだと随時菌数の変化を安価で知ることができるので、患者様の治そうとするモチベーション維持に役立つため、早速当クリニックに導入しました。
まさに戦う相手を知りその動向を見ながら歯周病と闘う便利なものです。
そのシステムはオルコアというものでP.g.菌の限定検査システムです。

写真1

写真2

新検査システム「オルコア」の導入

検査はいたって簡単です。歯間ブラシでプラークをとって専用分析器にかけます。(写真1)
今ポピュラーになったPCR検査の原理で約45分で菌数が判明します。(写真2)

ただし、やはり保険ではカバーできないので検査費用として5,000円/回かかりますが、ご自分の健口に投資してあげてください。

なぜP.g.菌を調べるのか?

口の中に数百種類も存在する歯周病関与菌のうちP.g.菌は悪質なものの一つです。このポルフィロモナス・ジンジバリス(P.g.)菌は血液を餌にしています。また、酸素が少ないところ(4mm以上のポケット)で繁殖します。
したがって、歯茎からの出血がなくなり生息する深いポケットがなくなれば自ずと検出細菌数は減少、すなわち歯周病が改善されていることを意味します。

治癒・改善を知るのを今までのようなレントゲン・ポケット検査より早い段階で知ることができるのでご自身でのセルフケアの励みになります。

ただし、ここで誤解をしないでいただきたいのは、決して菌数ゼロにはできないことです。

また、改善されてもプラークコントロールを怠れば、ポケットが再びできてポケット内に形成される潰瘍からの出血を餌と繁殖場所を提供してしまい、再び歯周病が進行し始めます。

そもそもP.g.菌はどんな悪さをするの?

P.g.菌は歯周病菌に比べて細胞の中へ侵入能力が高く、毛細血管壁を通り抜けて、血管内へ侵入し様々な臓器で疾患を起こす可能性か指摘されています。
最近の研究では血管壁の再生すら阻害するようです。

もっと詳しく 色々な歯周病菌の動態を知りたい方は

次の「非侵襲的な抗菌剤療法」に記載していますOraVital 社のラボによる精密分析をお勧めします。

ここで歯周病治療の方法を整理してみたいと思います。

治療方法の分類

  • (A) 通常の歯周病治療 初期治療・歯周病外科治療

  • (B) 非侵襲的な抗菌療法

  • (C) メスによる切開・縫合を伴わない “WPT” と呼ばれるレーザー治療

    (B)と(C)の治療方法は当クリニックでしか行なわれていません。
    歯周病が進行している場合には、初期治療が終わった後に「歯周病外科処置」が必要となる場合があります。しかしながら、他の全身疾患がある方や高齢者の方には実施できないケースも多々あります。そのような方には注目されている侵襲性の無い「抗菌剤療法」と侵襲生の少ない「レーザー治療WPT」をお勧めします。

非侵襲的な抗菌剤療法

歯周病が進行している場合には、初期治療が終わった後に「歯周病外科処置」が必要となる場合があります。しかしながら、他の全身疾患がある方や高齢者の方には実施できないケースも多々あります。そのような方には注目されている「抗菌剤療法」をお勧めします。その前に、

歯周病はどんな病気なのか/歯周病と気づくのは

別名「サイレント・ディジーズ」と呼ばれるくらい、痛みなどの自覚症状を伴わず、静かに確実に進行していく病気です。強いて言うならば、初期症状としては朝起きた時にネバネバ感がある、歯磨きをしていると時々血が出る、歯茎が腫ぼったい、口臭がひどくなったなどと感じる程度です。
気づかずに自分は大丈夫と思っていても、現実的には約90%の人が罹患していることを忘れないでください。

歯周病はとても怖い病気

ご自分の口の中にいる歯周病菌に感染し、歯槽骨を破壊し歯の植立状態を危うくするために歯を失い、噛めなくなります。そればかりではなく、歯周病菌が歯茎から侵入して血流を介して全身症状を悪化させることが近年問題視されています。

  • インスリン阻害物質産生により糖尿病を悪化させる

  • 脳梗塞・脳卒中のリスクを高める

  • 動脈硬化・心疾患のリスクが高まる

  • アルツハイマー

  • 早産や低体重児の出産の可能性が高くなる

  • リウマチ

  • ガン発生リスクが高まる

・・・「歯周病と全身疾患」参照
歯周病は生活習慣病、感染症と捉えてください。

(B) 非侵襲的な抗菌剤療法

戦う相手が分からなければ、効果的な治療は行えません。しかしながら、多種類の歯周病菌による感染症ですから、まずDNA検査で明確に把握した上で治療するという、新しい非侵襲的治療である「抗菌剤治療」(OraVital system)」を紹介しましょう。

多種類の歯周病菌による感染症であることから、DNA検査に基づく新しい非侵襲的治療である「抗菌剤治療法 (OraVital system)」について

-DNA検査って痛いの? -

お口の数カ所から歯垢を採取するだけですので、全く痛みや不快事項はありません。

-DNA検査で何がわかるの?-

あなたのお口の中で増加している8種類の細菌数を調べて、危険量と 比較して危険、要注意、安心レベルの三段階に赤色・黄色・緑色で表示されたものがカナダの研究所から報告されてきます。それに基づいて、それぞれに最適な治療方針が提示されます。

-お口の中の細菌をゼロにする治療法ではありません-

常在菌による感染であり、無菌室で生活する覚悟があれば別ですが、例え一時的に菌数をゼロにすることに意味はありません。

-では抗菌剤を用いてどうするのか?-

まず歯茎からの出血を止めます。そして、お口の中で悪さをする歯周病菌数を減じて、お口の中の菌数のバランスを整えて進行を食い止めます。

-歯茎からの出血を何故最初に止める必要があるのか?-

医療とは、出血していたらまず止血するのが第一施術です。例えば指を切ったら消毒して傷口を縫ったり、その必要がなければバンドエイドを貼ります。歯茎からの出血は?  治療していくうちに止まる ?

-歯茎からの出血している総面積-

しかも歯周病による歯茎からの出血部位の範囲(総面積)は驚くことに、手のひらに相当する大きさです。

-出血しているのは歯周ポケット内面にできている潰瘍-

実はこの潰瘍部分からある種の歯周病菌が歯肉内に入り込み、血流に乗って全身へと運ばれて行きます。・・・「菌血症」「口腔健康と全身健康」参照
したがって、一刻も早く潰瘍部を治して出血を止めることが重要なのです。

-どんな薬を使用するのか-

OraVital社製の特殊なクリームとリンス剤を使用します。もちろん口腔内清掃はきちんとする必要があり、薬剤だけに頼ってはいけません。積極的に「ゴム歯間ブラシ」を使用します。

治療用の特殊クリームとリンス

 メンテナンス用リンス2種

-どんな効果が得られるのか-

腫れた歯肉が引き締まり、歯周ポケットの深さも表のように浅くなります。

-保険は適応されるのか-

残念ながら保険治療には該当しません。自費治療となります。

(C) メスによる切開・縫合を伴わない “WPT” と呼ばれるレーザー治療

侵襲の少ない方法として欧米で広く普及しています。レーザーならどれでも良いというわけではなく、Nd:YAGレーザーとEr:YAGレーザーの二つを駆使します。処置中の感染を抑制した処置でありながら骨再生等の治癒が得られると評価されています(参考文献1)。身体に優しい治療といえます。
文献1; Multi- center Retrospective Report of Periodontal Tissue Regeneration Following TwinLight Periodontal Treatment. A. Dalessando et.al., J.L.H.A.2017
術式を分かりやすいイラストで示しておきます。

歯茎を切開しないで歯周ポケット内へ細いチップを挿入して不良歯肉、根面に付着した歯石、内毒素、細菌を蒸散させて除去します。そのあと骨再生と歯肉付着を図ります。負担の少ない処置です。

再生療法

—各種再生歯科材料についてー

iPS細胞の画期的な発見・発明・各位領域への応用実験等により「再生」という言葉がすっかり定着しました。しかし、現実的に今、どう対応するかということになれば、「待ったなしで、現状で最良の治療」を提供するのが医師の務めと考えています。私の考えでは、本来の生体が持つ「修復力」を引き出せてやり現段階(すでに汚染・崩壊された状態)で最良の状態で破壊・汚染をストップさせて、生体の機能を回復させることがベストと考えています。

したがって、積極的に組織の再生と回復のためには十分のエビデンスと実績のある補助製剤を使用しています。それは「エムドゲイン」とスイス製「Bio-Oss」を線択しています。その他にも、PDGF(血小板由来の成長因子)やBMP(骨形成タンパク )、DFDBA(ヒト脱灰凍結乾燥骨)などの応用も考案、実施されていますが、ガン細胞の成長助長作用の有無が未だに不明なものがあります。当院で使用を決定しているものは、これらの危険因子に対して十分研究された歴史のあるもので安心して使用できます。

もちろん、これらを使用する前提も「レーザーによる不良肉芽・感染物質の蒸散・殺菌・生体の修復力の活性」とオリジナル・テクニックの歯肉整形を行った上での「併用」です。しかも、骨の欠損状況などにより適応が左右されますので、経験豊富な歯科医師の判断が不可欠です。

最後に少し詳しく、これらの「再生補助薬剤」について説明しておきます。

「エムドゲイン」は1997年にHammstrom博士らにより考案開発されたもので、ブタ由来のエナメルマトリックス デリバティブで20数年以上にわたり世界で広く使用されている実績があります。「Bio-Oss」も25年以上も臨床に使用され続けている製品で積極的に骨築成する為にコラーゲンテープでシールドするようなものまでラインアップされて本格的なシステムです。

オリジナル歯周病治療プログラム

歯周疾患は国民病といっても過言ではないほど多くの方が罹患しています。しかし、「サイレントディジーズ」と言われるように静かに進行していくので、ついつい放置あるいは見過ごしがちになり、気がつくと歯を抜かなければならないとか歯を失っていく状況に追い込まれます。歯周疾患をほとんど自覚のない慢性疾患であり、感染症でもあり、全身の健康と大きく関与している重大疾患であることを強く認識していただきたいと思います。もっとも、このページをご覧になっている方は関心がおありだとは思いますが。

保険でもカバーされている疾病ですが、治療実態は形式に則った加療がダラダラと続きやすくて、患者自身も受身的な治療になってしまいがちです。その結果、治癒したのかどうかは不明なまま、「様子見」的なことが続いているようです。すなわち、歯科医院でクリーニングを受けただけでは治らないのは、食事などでお口の中が汚れている時間が圧倒的に長いことに起因しています。つまり、セルフクリーニングが今まで以上に求められて実践しながら、次のステップの治療へと進行しなければなりません。

しかし、この疾患に対して安易に取り組んでしまうと現状維持無もままならなくなります。

そこで当クリニックでは歯科医院巡りでは決して治癒しなかったことに気づいていただき、積極的に治療へ参画して治したい と願う方に対して一歩踏み込んだ治療を提供します。清掃しやすいお口の中の形態にすることや骨再生、コラーゲン活性化などの手段も取り入れていきます。

このプログラムは本気で取り組む方だけに施術を提供したいと考えています。プログラム内容は個人個人で異なってきますが、共通した事項は生活習慣の改善と言えます。

例えば、歯磨きについては歯ブラシの指定やその方に適したブラッシング方法をこと細かくティーチングして行き、達成度を時々チェックします。これは、根本的にブラッシング不足・不適切により生じた疾患ですので、まず施術の前に行ってもらうことは大前提です。

過去の治療に対する影響が出るのは「歯石除去」です。スケーリングとも呼ばれています。振動を感じつつ機械的に取ってもらった人、あるいはハンド器具でガリガリ感・チクチク感で取ってもらった方のほとんどが術後、痛いとか腫れたとか不快な経験をされています。そこで、恐怖感や抵抗感がある方には「レーザースケーリング」を取り入れていきます。

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