歯磨き剤の歴史から〜
投稿日:2023年01月16日
ちょっと雑学的なお話をします。
歯磨きの重要性は既に認知されて使用する歯磨きグッズは歯科医院に行けば歯科医院専売のものが置いてあったり、ドラッグストアへ行けば本当に色々な製品が数多く並べられています。患者さんからよく聞くのが「どの歯磨き剤がいいのか迷ってしまいます」という声を聞きます。どれが効果的なのか、良いのか選ぶのに迷ってしまいますね。
そこで、今回は「歯磨き剤の歴史」を少し辿ってみましょう。
驚くことに紀元前3000年頃には古代エジプトでは牛の蹄や玉子の殻の細片で歯の着色や汚れをとっていたようです。古代インドでは「アーユルヴェーダ」には身体の健康の為に歯磨き剤や歯ブラシに使用する木の種類が書かれているそうです。ずいぶん古い歴史があるようです。
紀元後の早い時期には中国ではニンジンやミント、塩を当時の歯磨き剤に加えて使用時の味を工夫して使用していたようです。
我が国より口腔衛生に関心が高かった西洋では1824年にある歯科医師が洗剤を歯磨きペーストに加えたものを作り出し、1873年にはコルゲート社がペーストをジャーに入れたものを販売。現在のスタイルのチューブ入りになったのは1880年代になってからです。1960年になると予防効果を高めるためにフッ素入りの歯磨き剤がケンキュアうされて世界中で市販されました。
では日本ではというと、仏教と共に中国から「爪楊枝」の原形となった歯を磨く「歯木」が伝わったことから始まったようです。多くのかたはご存じかと思いますが歯磨き剤としては「塩」を使っていました。明治時代になると11年に「水歯磨き」、21年に資生堂の前身の福原商店が「練り歯磨き」を作り、29年にはライオン歯磨きが参入。44年に初めてチューブ入りが販売されたようです。しかしこの頃の主流は袋入りの粉歯磨きで大正14年に缶入り歯みがきが「タバコのヤニ取り」としてなんとタバコ屋で販売されていました。ちなみにこれを販売した壽屋は「サントリー」の前身というのも興味深いですね。
それから近年は、歯の表面の汚れを除去するために荒い粒子の研磨剤を歯磨き剤に入れたものが発売された時期もありましたが、歯の表目を傷つけることから現在では消え去り、その反省から歯と同じ硬度のハイドロオキシアパタイトの粒子を入れたものが販売されています。また「美白」ブームから歯を「白くする」という謳い文句の商品が注目されやすい現状で担っています。 しかし、歯磨き剤の薬効効果は唾液で流されやすい環境下では難しく、あくまでも歯ブラシによる「機械的汚れ除去」の補助的効果しかないものと捉えるべきでしょうね。
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